黒い司法 0%からの奇跡のラスト結末は?|ネタバレと感想

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これは黒人差別が根強い1980年代のアラバマ州で実際に起こった殺人事件をベースにした原作『黒い司法 黒い死刑大国アメリカの冤罪と闘う』の映画化です。

今なお”黒人男性の3分の1が刑務所に入ったことがある”というアメリカ。

マイケル・B・ジョーダンが、決して諦めない若き弁護士を好演しています。

真の正義とは何かを考えさせられます。

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黒い司法 0%からの奇跡のネタバレあらすじ

1986年、アラバマ州で18歳の(白人)女子大生が射殺される事件が起きました。

約半年後、逮捕されたのは、林業を営むウォルター・マクミリアン(ジェイミー・フォックス)でした。

いつものように大木を切り倒し、空を仰ぎ見、仕事に満足感を得た帰り道、警察車両に道をふさがれます。マクミリアンは一切抵抗しません。そして「人違いだ」と訴えるも無視され、殺人事件の容疑者としていきなり逮捕されました。

形ばかりの裁判は陪審の判決は終身刑、しかし判事が死刑に覆し、終了しました。

ブライアン・スティーブンソン(マイケル・B ・ジョーダン)は、ハーバード・ロースクール在学中に、インターンシップでアラバマ州の死刑囚を訪問し、同い年の死刑囚がひどい扱われ方をするのを目の当たりにします。

その後、司法試験に合格すると、心配で引き留める母を説得し、志を同じにするエバ・アンスリー(ブリー・ラーソン)とともに、アラバマ州で正当な法的弁護を得ることができない死刑囚をサポートする活動(EJI)を始めます。

エバは法律家ではなく、この活動は彼女の信念です。彼女の夫はその信念を理解しており、ブライアンを温かく迎え入れました。

最初に死刑囚に面会しに訪れた際、弁護士であるにもかかわらず「服をすべて脱げ」と言われます(なんという屈辱でしょう)。

何人かの死刑囚と面会しました。

まずは、ベトナム帰還兵でPTSDの診断を受けているハーバード・リチャードソン。彼が作った小型爆弾が、無関係の少女を死なせてしまいました。殺意の有無、精神疾患は一切考慮されず、死刑判決を受けます(もちろん誰かの命を奪おうなんて考えたわけではありませんでした。ブライアンは信じます)。

その後話を聞いた何人かもまともな弁護を受けていませんでした。

最後のマクミリアンは絶望していて「この地域では、黒人は生まれた瞬間から犯罪者なんだ」と言います。

彼には潔白を証明する証拠があります。彼が不利になる証言は、犯罪者からの仕組まれたたったひとつの証拠だけなのです。物証もありません。明らかに不当に、犯罪者に仕立て上げられたのだと確信し、ブライアンは立ち上がります。

エバに対する脅迫もありました(「家族は守らなくてはならないが、息子にあきらめたと思ってほしくない」とエバは負けません)。

ブライアンはハーバードの弁護も引き受けていました。奔走しますが、努力は実らず、処刑は撤回されないという通達が届きます。

執行の日。立ち合ってほしいと言われていたブライアンは、悲しみと怒りを胸に見届けました。

マクミリアンが犯人だと証言したラルフ・マイヤーズは、当初は「無実の人間に罪を着せるのは嫌だ」と証言していました(取り調べテープを入手しました)。

するとすぐに処刑室近くの独房に移されました。過去に大やけどを負ったトラウマがあるマイヤーズは「別の場所に移してくれるなら何とでも言う」と態度を翻したのでした。

ブライアンは仕組まれた証拠をたくさん集め、郡裁判所に再審請求しました。

ところが・・・希望ははかなく散りました。請求は棄却(納得できる棄却の理由が知りたいです)。マクミリアンは再び死刑囚として独房に戻されました。

やはり正義などないのでしょうか。

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黒い司法 0%からの奇跡のラスト結末

ブライアンは諦めません。州最高裁に再審請求します。

世論を味方につけるため、CBSの「60ミニッツ」に出演し、この事件について訴えかけました。これによってトミー・チャップマン地方検事のもとにも市民から非難が届くようになりました。ブライアンは、「法の正義を守ることが検事の仕事。マクミリアンが犯人じゃないことはわかっているんだろう」と検事に直談判しました。

1993年3月2日、マクミリアンに対する起訴の取り下げ請求が審理されました(黒人だけが傍聴席から閉め出されるところでした)。

ブライアンは冒頭陳述で、白人だけの陪審員も、マクミリアンの無実を証明できる20人以上の証人を排除したことも、さらに真実を話そうとすれば脅迫を受けることも、これはもはや本件のみならず法の支配の問題だと主張しました。

すると、チャップマン地方検事自らが全てを取り下げると申し出ました。

無実の罪から解放されたマクミリアンは泣き崩れました。ここまでに6年が経過していました。

その後もブライアンとエバはEJIの活動を続け、マクミリアンとブライアンの友情は、マクミリアンが亡くなるまで続きました。

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黒い司法 0%からの奇跡の感想

”貧困”の反対語は裕福ではなく”正義”というブライアン・スティーブンソンの言葉が、しっかりと描かれていました。法=正義ではないということ。法なんて、一部の権力者によってどうにでも操作できてしまう恐ろしさ。

”黒人も立派なアメリカ市民”という公民権運動から続く当然の主張です。ブライアンとエバの志は本当に尊いものです。

ロースクールを出たばかりの若き弁護士。温厚篤実な人柄のブライアン=マイケル・B・ジョーダンの決して諦めない姿は応援したくなります。

もっともっと語られるべき映画です。



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ムビドラくん

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