2017年4月29日公開の「帝一の國」
超エリート高校を舞台に、生徒会長になることに全精力を注ぐ野心みなぎる主人公・赤場帝一が、個性的なライバル生徒たちと熾烈な政治闘争を繰り広げる学園生活を描いた古屋兎丸の人気ギャグコミックを実写映画化した異色コメディ作品「帝一の國」
この記事では、「帝一の國」のネタバレあらすじと結末、感想について、お伝えいたします。
帝一の國のネタバレあらすじ
入学式
時は昭和。
生徒会長になる野心を抱く、赤場帝一という少年が海帝高校へ入学するところから物語は始まります。
最優秀の成績で入学した彼の夢は内閣総理大臣になり、自分の国をつくることでした。
そしてその近道として、政治家や官僚、国の中枢の担う数多くのトップの人間を輩出し続ける超名門エリート高校「海帝高校」で生徒会長になり、歴代生徒会長で構成される政界の最大派閥・海帝生徒会長会に入ることが目標です。
彼の父・譲介もまた、海帝高校出身でしたが、高校時代に生徒会長選挙で東郷菊馬の父・卯三郎に敗れ総理大臣への道が遠回りなものとなっていました。
そんな経緯もあってか、譲介はピアノが好きだった幼い帝一に、自分のような失敗はさせまいと生徒会長、そしてゆくゆくは総理大臣を目指す男にするべく、エリート教育を徹底させていきます。
評議会
生徒会長になるための戦いは一年生の頃から始まっていました。
まずは、ルーム長になり、評議会のメンバーに入らなければなりません。
帝一は中学時代に最優秀の成績を修めて、その流れで入学式では入学生代表の挨拶を務め、父もそんな帝一を応援するべく学校へ多額の寄付金を収めていたため、安々とルーム長へと指名されます。
指名された帝一は、すぐさま自分の補佐・榊原光明を副ルーム長として指名し、順調に評議会入りを果たしました。
評議会では、次期生徒会長を選任しなければならず、帝一たちはその最有力の生徒会長を応援し、忠義を尽くすことで次の年の生徒会長として指名される足場固めを行う必要があります。
評議会には、帝一以外にも生徒会長を狙う幼い頃から帝一をライバル視してイジメてきて父の代から因縁のある東郷菊馬や、生徒会長には全く興味を示さないが、成績優秀で友達想いで人望もある大鷹弾など曲者揃いが所属していました。
派閥争い
帝一はまず、次期生徒会長最有力と噂される氷室ローランドに目を付け、彼の派閥に入り、取り入ることにしました。
帝一のアイデアのおかげもあり、氷室の地位は校内で着実なものへとなりつつあり、氷室も帝一の存在を認めていきます。
東郷はそんな帝一を気に食わないため、自分が一番のお気に入りになろうと、帝一を陥れてきますが、ライバルの一人でもある大鷹弾の手助けもあり、何とか切り抜けていき生徒会長への足場を着々と固めていきました。
大鷹は貧しい家庭でしたが、学業優秀で特別に奨学金をもらって海帝高校へ入学している外部生で、家族想いで正義感あふれる帝一にはない魅力を放つ男です。
大鷹は氷室のライバルにあたる戦術に長けた天才・森園億人と彼の能力主義の方針に興味を示していました。
そんな大鷹を自分の陣営に取り込みたい氷室は、彼の父親の借金を帳消しにしてやることを条件にして、自分の陣営に引き込もうとします。
誘惑を断ち切るために大鷹は誘いを受けたその場で氷室を殴りつけ、森園を支持することを宣言します。
誤算
氷室を支持する帝一が想定していなかった事態が発覚します。
氷室ローランドの家柄は、父が米国自動車最大メーカー「HM社」の日本支社役員スティーブ・レッドフォードでした。
彼が推し進める日本進出に対して、帝一の父・譲介が「日本車優遇措置法」を推進して真っ向から対立し、日本進出を阻む結果となり、レッドフォードはその責任を負わされ、氷室の父と譲介には深い因縁があることが明らかになったのでした。
この事実が、東郷によって氷室の耳に入ることになり、帝一は氷室の派閥で居場所が無くなってしまいます。
帝一は、捨て駒扱いにしようとする氷室の話を光明の盗聴器によって察知し、修羅の道を選択せざるを得なくなります。
どうしても生徒会長になりたい帝一は、父・譲介に相談して、大鷹が支持する森園派閥へ寝返ることを決意することになるのです。
帝一の造反をきっかけに、票が割れていた本田陣営を取り込み派閥を拡大する森園陣営の動きもあり、混乱が生じる氷室陣営でしたが、賄賂によって強引に票を獲得し、世論調査を有利に進めていきました。
そんな中、父や恋人の美美子の話をヒントにした帝一のアイデアで、放課後のグラウンドであるイベント作戦を仕掛けます。
学校放送で校庭に流れるマイムマイムの曲の中で、森園を中心とした輪の形で踊り出すというもので、最初は奇怪な行動に見えたその作戦でしたが、次第に参加する生徒の輪が広がっていきました。
賄賂を受け取ってやましい気持ちがある者はその輪に参加できず、氷室陣営内部でも意見が割れ始め動揺が走ります。
この作戦をきっかけに、自然と官軍のイメージ付けに成功した森園派への支持が高まる動きができていき、選挙日直前には世論調査は五分五分の状況までになっていきました。
謀略
森園派の躍進に危機感を抱いた東郷は、父親の力を使って帝一の父・譲介に収賄容疑をかけて逮捕させます。
この一件で、森園派はイメージダウンを被り、支持率を急激に下落させてしまいました。
失意の帝一は収監されている譲介に会いに拘置所で面会をします。
そこで、父親に対して、「僕はただピアノが弾きたかっただけなんだ。なんでいつも僕の邪魔をするの？」と不満を爆発させます。
帝一が幼い頃、父に言われるがままピアノを弾くことをやめて、総理大臣を目指すことにした真意とは、自分の国を作ることで、誰にも邪魔されず自由にピアノを弾けるようになりたかったという純粋な願いからでした。
そんな彼に「すまなかった。」と謝る父・譲介
胸の内を吐き出し、抜け殻のようになった帝一は学校を休むようになり、部屋の中で引きこもります。
生徒会長選挙当日、そんな帝一が心配になった大鷹、光明、美美子が彼の部屋まできて選挙に行こうと励まします。
目標を失いかけた帝一はもう一度奮起し、恋人の美美子を連れて、学校へ向かいました。
帝一の國のラスト結末
生徒会長選の行方
遅刻して投票に向かう帝一を、東郷がグラウンドで妨害の待ち伏せをしていました。
彼は幼い頃から帝一に負ける度に、家の中で父に厳しく叱られ、つらい目にあっていた事実を告白し、二人の喧嘩は激しくなっていきます。
この決闘が長引いたことで帝一は投票に間に合わず、投票権を失ってしまいますが、評議会で行われている生徒会長選会場でも事件が起こります。
氷室が賄賂を渡していた生徒の票が、森園陣営に流れ、氷室の側近であったはずの駒の造反によって票は同数となりました。
大鷹の白票投票の狙いもあって、現生徒会長の手に委ねられた次期生徒会長の行方
その決断は･･･森園を指名
次期生徒会長は森園億人となりました。
選挙に破れた氷室の自殺未遂事件がマスコミの話題となり、物議を醸しだしたことで政界内でも影響力のあった海帝生徒会長会派閥は解体することとなりました。
一年後
帝一たちの生徒会長選の日
森園新生徒会長の制度改革によって全校生徒による投票制度になった海帝高校は全校生徒が体育館へ集められ、生徒会長選の投票が行われていました。
候補者は 帝一、大鷹、東郷の3名でしたが、票は帝一と大鷹の二名に集まり二人に絞られます。
少数しか支持を得られず諦めた東郷は、なぜか帝一へ腐れ縁だと言い放ち自ら投票を入れます。
東郷の票によって僅差で帝一の勝利が確実と思われた投票締め切り時間間近に、東郷の大鷹陣営に票を移動しようとする動きを察した帝一は、自ら票を大鷹陣営に入れて「借りを返した」と全校生徒が見守る中、大鷹との友情を演出してみせます。
時期生徒会長は大鷹弾
大鷹の指名によって副会長は赤場帝一
帝一は大鷹の生徒会長就任式で、得意のピアノ曲「マリオネット（あやつり人形）」を披露します。
帝一は、「（あやつり人形は）君たちのことだよ」と満足げに心の中で呟きながら、帝一のの國をつくることを諦めずに突き進む決意を補佐の光明と誓い合うのでした。
以上が、あらすじとなります。
帝一の國の感想
話題のイケメンの若手俳優が共演している本作は、シーンひとつひとつに見ごたえがあり、特に学園祭でふんどし一丁の姿で太鼓をたたくシーンなどはファンが熱狂したのは間違いないでしょう。
そして、大鷹と勝手に競う赤場親子のテスト採点シーンでの全力なコメディ演技は本当に爆笑しました。
原作を知らずとも楽しめましたね。
見どころ
個人的な見どころとしましては、本作のメインイベントである生徒会長選にあります。
この作品はギャグマンガでありながら、実は政治とカネの問題等、公職選挙法の話にも通じる部分があり、若者にその理解度を深める手助けをしている作品でもあると感じました。
賄賂を武器にして票固めに走る氷室陣営に対して、彰義隊をヒントに旗印を掲げて森園派こそが官軍であるというイメージ戦略に出た帝一たちの戦術は、実際の選挙や政治にも通じる話ですよね。
そして、そんな映画のラストを飾る、主演の菅田将暉さんのあやつり人形のピアノ曲に乗せて「君たちのことだよ」とつぶやくシーンは記憶に残る名シーンでした。
おすすめの名作です！
いかがでしたでしょうか？
参考にしていただければ幸いです。
ここまでご覧くださりありがとうございました。
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