ハリエット(映画)のラスト結末ネタバレ|感想とあらすじも

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実在の奴隷解放運動家ハリエット・タブマンの、自らに与えた使命に命がけで挑み続けた不屈の精神を感じてください。

たった一人でも、どんな状況でも、ハリエットには強い味方が。神の声が聞こえました。

彼女の人生には”自由か死か”、この選択肢しかありませんでした。

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ハリエット(映画)のネタバレあらすじ

1849年、アメリカ メリーランド州。ブローダス農場の奴隷ミンティ(シンシア・エリヴァ)は草の上で目を覚まします。愛する夫、自由黒人(奴隷から解放されている黒人)のジョン・タブマンが良い知らせを運んできてくれたのです。

弁護士が作成したというその手紙には、ミンティの母親は45歳で子どもたち共々解放されると記されていました。母は57歳です。

ミンティは、自由を保証してほしいと農場主のエドワードに直談判しました。しかしエドワードは手紙を破り捨て、「おまえは永遠に奴隷だ。おまえの子どももその子どもも我が家の奴隷だ」と言いました(弁護士を雇ったことも怒りを買ったようです)。

ミンティは神に祈ります。エドワードに罰をとも。

するとまもなくエドワードは病死しました。息子のギデオン(ジョー・アルウィン)は、父の残した借金を返すためにミンティを売ろうとします。

遠く離れた南部に売り飛ばされたら、家族とはもう二度と会えないでしょう。ミンティは脱走を決めます。ジョンが一緒に逃げると言ってくれましたが、ミンティはひとりで逃げることを決意します(彼は自由黒人ですから)。

伝統的な黒人の霊歌を歌うことで母に別れを伝え、離れて暮らす父の元へ。父はグリーン牧師を訪ねろと言います。引き留められる心配をするミンティでしたが、表向きには奴隷制度に賛成の説教をしているグリーン牧師は、実は地下鉄道の協力者でした。

*地下鉄道とは、奴隷が乗客、逃亡を手助けする者が車掌という組織です。

翌朝ミンティがいないことに気づいたギデオンは、逃げるミンティを森で追いつめます。今戻れば売りには出さないからとギデオンは言いますが、ミンティの心は決まっていました。”自由か死か”。流れる川に向かって橋から飛び降りました。

川岸をくまなく探しましたが、すでにミンティは逃亡奴隷を助ける白人の馬車に乗り込んで、フィラデルフィアを目指していました。

メリーランド州境から自由の地ペンシルベニアに向かう場面でも、白人に助けられています(自由の地を踏みしめるこのシーンは印象深いです)。

フィラデルフィアの黒人奴隷解放組織にたどり着いたミンティに、リーダーのウィリアム・スティル(レスリー・オドム・Jr)は、たった一人で160キロも逃げてきたなんて奇跡だと驚きます。

ここで、13歳のとき奴隷監督に分銅を投げつけられ頭蓋骨が陥没し二週間昏睡し、それから神の声が聞こえるようになったと告げます(障害が残っている恐れと記されます)。

自由を記念してハリエット・タブマンと名乗ることにします(これよりミンティはハリエットです)。

女性専用の寮に案内され、マリー(ジャネール・モネイ)と出会います。生まれたときから自由黒人のマリーは美しい所作に美しい衣服で「臭いから風呂に入りなさい」と言いますが、すぐに失礼な発言を詫び、二人は絆で結ばれていきます。

1年後、ハリエットは夫に会いに行こうと決めます。南部に戻るなんて無謀ですが、神のお告げだと信じるハリエットはひるみません。

マリーは自由黒人らしい振る舞いや話し方を教えます。護身用の銃も持たせます。鉄道の駅で怪しまれるもなんとか誤魔化し、ジョンの元までたどり着きましたが、ジョンは再婚していました。もうすぐ子どもも生まれるそうです(川に飛び込んで死んだと聞かされていたそうです)。怒りに震えるハリエット。

深夜、父を訪ね、ブローダス農場から兄弟を含め5人の奴隷を連れて戻ることを決めます(赤ん坊までいましたが、いったんやると決めたら行動するのみです)。

翌朝、奴隷が消えていることでパニックになるギデオンと母のエリザは、人を集めて追跡します。自由黒人のウォルターがハリエットの情報を売り、奴隷ハンター(自身も黒人)のビガーも伴い追いつめていきます。

森で、逃れられないかと思ったとき、ハリエットは神の声を聞きます。そして神に祈りながら歩いて川を渡ります。泳げない、ここで死にたくないと言っていたほかの者たちは、ハリエットが無事に向こう岸まで渡りきると慌てて追いかけました。

一部始終を見ていたウォルターは、「見失った」と報告しました。

そして一年前にたったひとりで歩いた道をゆき、フィラデルフィアのウィリアムの事務所に帰り着きました。ウィリアムはハリエットを賞賛し、地下鉄道に紹介します。それからハリエットは活動家として多くの奴隷を助けることになります。

決して失敗しないハリエットは”黒人たちのモーセ”と呼ばれるようになります。

逃亡奴隷法の締め付けが厳しくなっていき、これ以上の救出は危険だとウィリアムが判断しても、ハリエットは聞く耳を持ちません。

ハリエットを止めることは誰にもできません。

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ハリエット(映画)のラスト結末ネタバレ

ギデオンは、ハリエットがフィラデルフィアにいるという情報を得て、ハリエットを隠しているマリーを暴行します。マリーは屈しませんでした。黒人なのに白人の手下に成り下がっているとビガーに立ち向かい、殺されてしまいました(勇敢でした)。

アメリカのどこも危険な状況に、カナダを経由して救出するというルートを検討します。難色を示す人々に「あなた方は苦労を知らない」「私は彼らを解放するために血の最後の一滴まで捧げる」と言い切ります。

そして両親も救い出してきます(このときウォルターは、ハリエットの手助けをしています)。ハリエットは追いかけてきたギデオンと向き合い、銃で彼の右手を撃ち、「奴隷制度は神が許さない」と言い残し去りました。

1863年、南北戦争中のノースカロライナで、ハリエットは黒人兵士を率いて、725人もの奴隷を解放しました。

やがて戦争が終わると、家族の元に戻り再婚もします。その後も、アフリカ系アメリカ人の地位向上を求めて公民権運動に捧げたという人生が紹介され、1913年に長い生涯を終えたそうです。

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ハリエット(映画)の感想

たったひとりで逃げられたことも、その後多くを救出したことも、そう困難ではなかったように映っているかもしれません。細かく描かれませんが、奴隷所有者間に対立があったり、北部に近い南東部には奴隷制度に反対している白人クエーカー教徒が多く住んでいたりしたことが、ハリエットの力になりました。

そういった人々や地下鉄道という組織の助けがあってこその解放でした。

しかしやはり活動家の活動と、ハリエットの”自由か死か”の命がけの不屈の精神は同じではありません。

それからもう一つだけ、黒人の霊歌の素晴らしさ、ハリエット役のシンシアの歌唱力の素晴らしさも堪能してください。



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