ペインアンドグローリーのラスト結末ネタバレ|感想とあらすじ

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心身共に疲れてしまって、もうこのまま人生は終わりに向かうしかないのかと、どん底で日々をやり過ごしていた男。

許せなかった出来事やそのまま置き去りにしてしまった痛みに向き合ったとき、再び歩き続ける道筋が示されました。

スペインを代表する巨匠ペドロ・アルモドバル監督の自伝的ストーリーの完成です。

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ペインアンドグローリーのネタバレあらすじ

プールに身を沈めて瞑想しているサルバドール(アントニオ・バンデラス)。彼の意識は遠い昔、若い母が朗らかに歌い皆で笑い合う、最も幸せだった頃をさまよっています。

サルバドールはスペインを代表する映画監督で脚本家ですが、もう長い間、引退同様の生活を送っていました。なぜなら背中や膝の強い痛みや耳鳴り、頭痛に昼夜を問わず悩まされ、この頃では呼吸が苦しくなることもありました。創作活動どころではありません。それから彼は4年前に母を亡くした心の傷みも抱えていました。

ある日、昔よく一緒に働いたメルセデス(ノラ・ナバス)に会い、サルバドールの初期の映画『風味』が再上映されると聞かされます。サルバドールは、この映画で主役を演じたアルベルト(アシエル・エチュアンディア)と一緒にティーチイン(映画関係者による質疑応答付きの試写会)を開こうと考えます。

連絡もせずにいきなり訪ねてきたサルバドールに嫌な顔をするアルベルトです。彼らは32年前の映画公開時に演技についてひと悶着あり、それ以来音信不通だったのです。

なんとか家に入れてもらい事情を説明します。時が経ち、あの映画とは和解したのだと言いました。

話を聞きながらヘロインを出してきたアルベルト(常習者です)に、サルバドールは自分にも分けてくれないかとねだります。ヘロインで、このひどい頭痛から逃れられるのではないかと試してみます。

少年時代の思い出に入り込んでいきます。

母ハシンタ(ペネロペ・クルス)と二人でバレンシア州の小さな村に移り住んだときの思い出です。貧しい生活から抜け出せると母は期待していたのに、父が用意していたのは家とは呼べない洞窟でした。ショックを受けるも、持ち前の明るさと強さで「私が家らしくする」と張り切ります。

サルバドールはこの母を心底愛しており、貧しい暮らしも苦ではありませんでした。

数日後、アルベルトがサルバドールの自宅を訪ねてきました。まるで美術館のような、豪華な調度品に囲まれた部屋でした。今日もまたヘロインで、サルバドールは昔の記憶へ。その間アルベルトは暇を持て余し、好奇心からPCに保存されていた『中毒』というタイトルの脚本を読んでしまいました。すっかり圧倒されたアルベルトは、目を覚ましたサルバドールに、舞台で演じさせてほしいと頼みますが断られます。

体中に痛みのあるサルバドールはヘロインから抜け出せなくなっていきます。結局『風味』のティーチインにも行けず、アルベルトとふたり、電話越しの質疑応答になりました。「アルベルトの演技をどう思いましたか」と質問され、「リズムが鈍重だった」とはっきり批判すると、アルベルトは怒って帰ってしまいました。

数週間後、ふと思い立ったようにアルベルトの家を訪ねます。もちろんアルベルトは「帰れ」と言いますが、サルバドールには手土産がありました。『中毒』を演じる権利を譲る、ただしセットはスクリーンだけの一人芝居で、サルバドールの名前は一切出さないことと条件をつけました。

満員の観客の前で演じるアルベルト。恋人たちが情熱の全てをぶつけ、愛し合って別れた物語でした。上演後楽屋に訪ねてきた男性は、かつてサルバドールが愛したフェデリコ(レオナルド・スバラーリャ)で、この物語は自伝的ストーリーだったのです。

アルベルトから住所を聞いて、サルバドールの家を訪ね、30年以上の時を経て二人は再会しました。愛し合う二人でしたが、フェデリコはヘロイン中毒を克服するためにサルバドールの元を離れたのでした。女性と結婚し息子をもうけたフェデリコと、再び会う約束をして別れました。二人はかつての愛や痛みや幸福を思い出し、満たされました。

サルバドールは持っていたヘロインをトイレに流しました。自らもヘロインと決別することを決めました。

そして医師の元で詳しい検査を受けることにしました。全面的にサポートすると申し出てくれたメルセデスに、母への想いを打ち明けます。いつも明るく人生を楽しもうとしていた母は、年を重ねて少し辛辣で気難しくなりました。母の最期は息子に少々残酷でした。

どうして母親をテーマに映画を作ってこなかったのかと聞かれ、「監督の顔で私を見ないで」と言われたことがあったからと答えました。

放射線科でスキャンを受けるのを待っているとき、メルセデスがアート展の招待状を見せました。本を読む少年の絵に衝撃を受けるサルバドール。この絵は彼にとって”初めての欲望”を思い出させるものでした。

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ペインアンドグローリーのラスト結末ネタバレ

スキャンの巨大な機械はまるでタイムトンネルのようにサルバドールを少年の頃へ誘います。読み書きのできたサルバドールは、近所の青年にそれらを教え、代わりに洞窟の水道を直し、壁に漆喰を施してもらいました。絵の上手な青年は、作業の傍らで本を読むサルバドールをスケッチしました。

その後、汚れた身体を洗いたいとキッチンで全裸になりました。その姿を見たサルバドールは気絶してしまいました。それが男性に性的衝動を抱いた初めての体験でした。

なんとなく察した母によって二人は会えなくなり、青年の描いたこの絵はマーケットで売られたようです。

サルバドールは展覧会でその絵を買い求め、過去のピースがはまったかのように、新たな一歩を踏み出す準備が整ったようです。

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ペインアンドグローリーの感想

ラストシーンが、私には難しいのですが、若き母と少年時代のサルバドールが横になっている場面でカメラが引くと、それは映画のワンシーンの撮影のようです。もしかして、これまでの回想シーンはすべてが新しく制作中の映画のシーンだったのでしょうか。

ペドロのミューズ、ペネロペ・クルス見たさに鑑賞しました。登場は少しですが、強くたくましく明るく太陽のようなスペインの母を体現して、変わらずの美しさでした。



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