ガルヴェストンのラスト結末ネタバレ|感想とあらすじも

洋画

傷だらけの二人の背景に、絵画のように美しい映像。
 
とてもシンプルでありがちな逃避行ものなのに、主演の二人が放つ孤独や悲しさや、つかの間の安らぎに自然に、ぐいぐいと、引き込まれます。
 
女優メラニー・ロランが初監督というところも注目です。

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ガルヴェストンのネタバレあらすじ

外は嵐、窓ガラスが割れます。
 
1988年、ニューオリンズ。一転して静かな病院で、ロイ(ベン・フォスター)は医師から、肺に影がかかっているから生検の必要があると言われます。(とっさにガンだと思ったのでしょう)動揺して荒々しく病院から飛び出します。
 
ロイは長年裏社会で、人を脅したり殺したりしてきました。その晩もボスのスタン(ボー・ブリッジス)から、ある場所へ出向くよう指示されます。脅すだけでいいから銃は置いていけと言われますが、ナイフも銃も仕込みます。
 
侵入してすぐに捕まり、仲間が撃たれました。組織から裏切られたと直感したロイは夢中で撃ちまくります。そして椅子に縛られていた少女と散らかった書類を手に、いそいで逃げます。
 
少女は、テキサス州オレンジ郡から友人を頼って身一つで出てきたけど騙されたと、家には帰りたくないから一緒に連れてってと言いました。
 
ほんの少し緊張がほぐれてきた二人はバーでお酒を飲みます。少女はロッキー(エル・ファニング)といい、気軽にその辺の男に声をかけます。それを見てロイは媚びるのはやめろと言います。俺には正直でいるようにとも。
 
ロッキーはロイに「タダでいいわ」と言います。ロイは腹を立て「不愉快な女だ」と言います。娼婦をしてきたロッキーは戸惑います。いろいろな想いが絡まり合い、バスルームで声を殺して泣きました。
 
翌日、車を乗り換えて町から離れようとする二人。その朝、血を吐いたロイは、自分の命はそう長くはないのだろうと思います(ロッキーも驚きました)。無言で車を走らせる二人。
 
突然気が変わったロッキーが、オレンジ郡に寄ってほしいと言い出します。ほんの10分待っていてくれと。すると銃声がし、ロッキーが妹(ティファニー)を連れて走ってきました。継父を撃ったが、外したから大丈夫と言います。自分たちが逃げるのに精一杯なのに小さな子どもまで無理だとロイは思いますが、とにかくこの場から逃げるしかありません。
 
海辺の町”ガルヴェストン”にたどり着きました。
 
モーテルでシングルを二部屋借ります。明らかに不審がっている宿主は「このあたりの警察はみんな知り合いだからね」と釘を刺してきました。
 
妹はまだ海に行ったことがないのとねだられ、3人で浜辺でゆったりと過ごします。ティファニーもロイになついてきました。
 
同じモーテルに宿泊している若い男がロイに声をかけてきました。自分は盗みのプロで、大通りにある診療所で簡単にヤクを盗めるから手を組まないかという話でした。大金に興味はないとロイは断りましたが、この男はロッキーにも声をかけ、ロイを探り続けます。
 
ロイは、肺を診た医師に電話をかけ余命を聞きます。脅しをかけても医師は、とにかくもう一度病院に顔を出すようにとしか言いません。
 
ロイが読んでいた新聞に、オレンジ郡で殺人があり娘二人が行方不明と載っていました。やはりあのときロッキーは(ロイが捨てたこの新聞を、ロイを探る男が拾って読みました)。
 
ロイはひとりでモーテルを出て行きました。元カノを訪ね、やり直したいというようなことを言いますが断られます。それでもロイはしばらくモーテルには戻りませんでした。
 
見捨てられたと思ったロッキーは、お金を稼ぐために娼婦の道に戻りました。
 
モーテルに戻ったロイは、宿主からロッキーが夜出かけることを聞かされます。さらにヤクを盗もうと声をかけてきた男に、殺人事件のことでゆすられます(仲間になると騙してあっさりと殺してしまいました)。
 
その晩遅くに戻ったロッキーは、すべてをロイに話します。ティファニーは妹ではなく、ロッキーの娘でした。継父は殺されて当然の人間でした。
 
「済んだことだ、もう忘れろ」と、ロイはもう置いていかないと約束しました。
 
ロイはスタンに電話をし、弱みを握っているから金を用意しろと脅しますが、すぐに居場所を突き止められさらわれることになります。
 
ロイとロッキーが恋人同士のように踊って「君は人生をやり直せ」なんて生きる希望を与えて、つかの間だとしても光が見えたそのときに。

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ガルヴェストンのラスト結末

組織のボスを簡単に脅せるわけがありません。ロイは立てないほど暴行されますが、いまはスタンの女になった元恋人が逃がしてくれました。ロッキーは、乱暴され、殺されていました。
 
(ロイを信じて生きていこうと決めたのに)
 
逃げるロイは自動車事故に遭い病院へ。そこで肺の影はガンではなかったことがわかりました。命にかかわる病気ではありませんでした。
 
退院後服役となりますが、スタンの弁護士が、ティファニーのことが大切ならば、スタンを売ろうなんて考えないことだと脅迫します。
 
そのまま20年服役し、出所。オープニングのシーンです。ハリケーンが近づく日、ティファニーが訪ねてきました。美しく成長し、仕事もあり、結婚も控えているそうです。
 
「本当のことが知りたい。」ロイは正直に話します。3人で写真に映るその女性(ロッキー)は姉ではなく母だということ、君を捨てたわけじゃなく必死に戦ったんだと。
 
ティファニーの心は洗われたようでした。

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ガルヴェストンの感想

こんなストーリーはよくある感じがします。シーンや背景もありきたりな、どこかで見た気がするのですが、それでもぐっと掴まれてしまいました。主演の二人がたまらなくいいです。若く可憐なエルが娼婦。まさに体当たり。ティファニーのことを打ち明けるシーンは、過呼吸で倒れるんじゃないかと驚きました。生きてほしかった。
 
ガンじゃなかったのか。でも死ぬ覚悟をしたからこその行動でしたから、これはこれですね。
 
メラニー・ロランは女優さんとしてとても好きです。今後は監督としても目が離せないですね。風景が絵画のように雄大で美しく、多くを物語ります。秀作です。



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