フロントランナーのラスト結末ネタバレ|あらすじと感想

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ジョン・F・ケネディの再来と言われ、注目度も期待も高かった民主党大統領候補のゲイリー・ハート。

フロントランナー(最有力候補)と呼ばれた彼が、たった三週間で立候補を断念するまでに何が起こったのかが、丁寧に描かれています。

大統領候補のプライバシーについて、考えてみてください。

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フロントランナーのネタバレあらすじ

1984年。民主党の全国大会で多くの支持を集めたゲイリー・ハート(ヒュー・ジャックマン)。コロラド州選出の47歳で、民衆の心を掴む演説スタイルが、J.F.ケネディの再来とまで言われていました。

しかしこの選挙戦の結果は、カーター政権で副大統領を務めていたモンデールに敗れてしまいました。「認知されたことが重要だ」と、ハートは前向きです。

それから4年後。出馬を表明したハートは、「西部出身の大統領はまだいない。西部はアメリカの未来だ」と言い、雪を頂いたレッドロックス公園に、多くのカメラマン、記者を伴って、出馬表明の会見を行いました。

最年少候補のひとりであり、フロントランナー(最有力候補)で、経済、教育、環境の3Eキャンペーンを掲げ、精力的に飛び回ります。

妻のリー(ヴェラ・ファーミガ)と娘のアンドレアはコロラドの自宅に残したままです。

選挙参謀のディクソン(J.K.シモンズ)は、彼が勝利すれば素晴らしい未来が開けると信じています。

スタートダッシュしたハートは小休止に、マイアミの海で豪華ヨットに揺られ、のんびりした楽しい時間を過ごしました(ドナという美しい女性と知り合ったのもこの船でした)。

2週目もあちこちで民衆と触れあいます。南部は時間の無駄だとスタッフに言われても、いや行くぞと、アラバマへ。

多忙を極め、移動の飛行機内でワシントンポスト紙のインタビューに答えます(ゴルバチョフを就任式に招くと言っていました)。

ある日、特ダネがほしいマイアミ・ヘラルド社へ、「ハートは私の友だちと浮気しているの」と密告の電話が入りました。記者は、初めは信用せず相手にしませんでしたが、ハートが週末の予定を突然変更したことから、ワシントンのハートの自宅に張り込んでみることにしました。

数日経ち、張り込みに気づいたハートは、共和党のブッシュ陣営のスパイを疑いましたが、ある夜おびき出して対面しました。

写真を何枚も撮られ、女性と密会しているのではないかと、モラルを重んじるべきだと出馬表明でおっしゃったはずだと追及されました。

女性の名前や、もっと裏をとる必要があると上司は言いましたが、なんとか丸め込んで翌朝のトップ記事に掲載しました。

ハートは妻に電話をし、新聞を止められなかった、自分がバカだったと謝りましたが、リーは深く傷つきました(静かな怒りがより物語っています)。

3週目に入り、ハートは自身の政策のアピールをしたいのに、マスコミはプライベートを知りたがります。コロラドの自宅にも大勢の報道陣が押しかけ、リーとアンドレアは昼夜を問わず見張られているような毎日です。

ディクソンは会見を開いて説明するべきだと言いますが、ハートは、くだらんゴシップなど誰も気にしないだろうと、プライバシーと尊厳を犠牲にしろというのかと、聞く耳を持ちません。

ニューヨークで行われた演説会で経済政策について語るつもりだったハートですが、マイアミ・ヘラルドの編集長とやり合うことになってしまいました。姑息な張り込みを非難し、あくまでも強気に記事のアラを突きます(しかしこの場でドナの名前が表に出てしまいました)。

これでこの件は静かになるかと思いきや、別の写真が報道各社にばらまかれます。

ワシントンポストの女性記者は「ハートは女性を軽視している」と、「ただの女好きなら仕方ないが、大統領候補なんだ」と怒りを抑えられません。

ここまできたらもう、スキャンダルについてコメントするしかありません。

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フロントランナーのラスト結末ネタバレ

ついに記者会見を行う決意をします。打ち合わせ中の控え室にリーが訪ねてきました。「すまない」と謝るしかないハートに対して、「今はまだ別れない。私を深く傷つけた痛みを胸に刻んでおいて」と言い、会見を見守ります。

この日ももちろん強気で押し切る戦略でしたが、ハートは罪を認め、不倫についての質問には言い淀んでしまいました。

会見後、初めて、ドナはどうしているかと心配の言葉を口にします(女性スタッフはもう怒っているのでしょう。私に聞かないでと言います)。

自宅に電話を入れたリーは、両親が不在の間にマスコミに追い回されているという娘の言葉に、こらえていた涙が溢れてしまいます。

ハートがリーに「デンバーに帰ろう」と言いました。

ハートは立候補を断念する決断をしたのでした。これ以上家族や友人をゴシップの餌食にしたくないと。

選挙活動から退くことを国民に伝えます。この国の、指導者を選ぶ仕組みに疑問を持つべきだと訴えます。大統領候補を標的にマスコミがハンターと化す。人間である以上過ちを犯すこともあるだろうが、それでも目を向けるべきは政策ではないだろうかと。このままではアメリカの将来は危ないと語りました。

ハート夫妻は今も、別れることなく一緒に暮らしています。

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フロントランナーの感想

最も優秀な大統領候補と呼ばれているそうです。情熱があって、演説がうまくて、カリスマ性があって、先見の明があって、まさにケネディの再来ですね。演じたヒュー・ジャックマンもぴったりだったのではないでしょうか。

この件が、政治家の不倫が無視してもらえなくなった転換点と言われているそうです。

公人に対してマスコミは容赦ないですね。大統領候補といえど、プライバシーは侵してはいけないとは思います。ただやっぱり不倫の事実をもみ消そうとしたり、相手の女性をぞんざいに扱うことは許しがたいです。おそらく女性の候補であれば、息の根を止められることに等しいはずです。

ケネディ大統領も女性問題は数えきれませんでしたが、優秀なゲイリー・ハートが女性問題で大統領になれなかったことは、アメリカにとって世界にとって大きな損失だったのかもしれませんね。



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